商いの動機付け・衛生理論①

「動機付け・衛生理論」という仕事に対するモチベーション要因について説いた有名な理論があります。         これは、アメリカのフレデリック・ハーズバーグという心理学者が唱えた理論で、人が仕事に前向きに取り組むか否かの心理的な条件として、動機付け要因と衛生要因の2つの要因があるというものです。 
                                                       「動機付け要因」とは「満足要因」ともいわれ、達成・承認・責任・昇進などで、自己実現や承認の欲求を満たす要因のことです。                                                     一方、衛生要因とは「不満足要因」ともいわれ、会社の制度・監督・給与・作業条件などで、生存や安全、社会的な欲求を満たす要因にあたります。                                              

「動機付け要因」が満たされるとモチベーションは向上しますが、それが満たされないからといって不満足をおぼえることはありません。しかし、「衛生要因」が満たされたからといって、それだけでは仕事に前向きになるものではありませんが、この要因が欠けると不満足を感じ、モチベーションが下がってしまうといわれています。                  

つまり、給料が上がったから、福利厚生がしっかりとしているから、というだけでは、「仕事を頑張ろう!」という気にはならないにもかかわらず、給料が上がらない、福利厚生が不十分だ、という状況になれば、不満が大きくなって仕事に取り組むモチベーションが下がってしまうのです。                                     

反対に、上司から成果を褒めてもらったり、昇進したりするなど動機付け要因が満たされて心理的な満足度や充実感を実感できたときに、前向きに取り組もう、もっと仕事のやり方を工夫しよう、あともう少し頑張ろう、といった気持ちになるのです。

このことは、お客さんのモチベーションにも共通します。
お客さまが「ぜひともこの店や会社から買いたい、これからも取引を続けたい」という気持ちになるか否か。

次回は、商いにおける「動機付け・衛生理論」について考えます。

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